〝つなげよう〟教えを次世代へ

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『つかいようでは宝の金が その身亡ぼす仇となる』

私達は毎日毎日を立派に生きて行かなければなりません。勉強という気持ちが有れば、決してどんな苦しみにも、負ける事はありません。それらの経験が総て自分を作りあげていく上に、大きな心の糧となり、土台となる事が分かる時、苦難はむしろ喜びの心で迎えられるのであります。そうして次第次第に自分というものが磨かれ、豊かになって来ますと、やがて人格に幅と深みが出来て参ります。物の見方、考え方は変わり、そして失敗は少なくなり、立派な生き方が出来ると同時に、人生により楽しさが増す事でありましょう。

もしも勉強という気持ちを失ったならば、それは丁度太平洋の真ん中で、羅針盤を失った船の様に、風の吹くまま、どこへ流されて行くか分かりません。船は羅針盤によって、その自分の位置を知り、そして立派な航海が出来るものです。人間も勉強によって、自分というものが良く分かり、そして立派な生き方というものが、出来る様になるものであります。人生の荒波を航海していく上に、自分は船長であります。自分がしっかりしなければ、その船は生命を失ったも同然であります。

人間は最後まで油断する事無く、楽しく勉強し、楽しく航海を続けなければなりません。人生は、終着点に行き着く事が目的ではなく、楽しみながら働き、働きながら勉強する。その道中の通り方に真の意義と、真の楽しみがあるのであります。


合 掌

初代管長 泉 波 秀 雄